PortalCam(ポータルキャム)の特徴とスキャン手順について

2026年9月に「Lixel L3」が加わり、XGRIDSの3Dスキャナーは4機種体制になりました。
Lixel L3・L2 Pro・K2・PortalCamを、精度・測定範囲・取得データ・重さなどの項目で比較し、現場別の選び方を解説します。

Overview

4機種の比較一覧


Lixel L3・L2 Pro・K2・PortalCamは、どれも「歩きながら空間を記録する」ハンディ型の3Dスキャナーです。ただ、得意な現場や残せるデータは機種ごとに大きく違います。まずは全体像を見てみましょう。数値はメーカー公表値です。

項目Lixel L3Lixel L2 ProLixel K2PortalCam
位置づけ最上位・高精度広域・長距離軽量・万能3DGS特化
取得データ点群+3DGS点群+3DGS点群+3DGS3DGSのみ
相対精度5mm10mm10mm-
測定半径0.7〜120m0.5〜120m
(32/300は〜300m)
0.1〜100m約30m
スキャン速度32万/64万点/秒32万/64万点/秒20万点/秒-
カメラ3基(各50MP)2基(各48MP)3基(各48MP)-
RTK内蔵オプション
(32/300は内蔵)
内蔵-
重量約2.5kg
(バッテリー込み)
約1.7kg
(バッテリー別)
約1.2kg
(バッテリー込み)
-
連続計測時間約1.5時間約1.5時間約1.5時間約1時間
主な用途地形測量・都市開発・製造現場地形測量・都市開発・製造現場屋内計測・施工進捗管理・教育不動産・コンテンツ制作・個人の記録

※L3は16/120・32/120、L2 Proは16/120・32/120・32/300のバリエーションがあり、搭載LiDARによって測定半径やスキャン速度が異なります。

Compare

項目別の比較


精度:図面に使うならL3が頭ひとつ抜ける

点群の相対精度は、L3が5mm、L2 ProとK2が10mmです。L3は水平精度も0.005°で、L2 Pro・K2(0.015°)から大きく良くなりました。設計調査や出来形確認のように、寸法の正確さが成果物の品質を左右する現場では、L3の強みがはっきり出ます。

K2・L2 Proの10mmでも、建物内部の寸法確認や施工記録、BIM/CIMの下地としては十分なケースが多くあります。PortalCamは見た目の記録に特化した機種なので、精度を前提にした計測には向きません。

測定範囲:広さで選ぶならL2 Pro(32/300)

一度に届く距離は、L2 Proの32/300モデルが最大300mで突出しています。L3とL2 Proの標準モデルは120m、K2は100m、PortalCamは約30mです。

ただ、広い現場で効いてくるのは届く距離だけではありません。L3はSLAM(自己位置推定)の処理が改良され、高層構造物、トンネル・橋梁、水際など、これまで位置ずれや点群の二重化が起きやすかった環境でも位置を見失いにくくなりました。撮り直しが減るぶん、広域の現場では実際の作業時間に差が出ます。

取得データ:点群が要るか、見た目だけでよいか

L3・L2 Pro・K2の3機種は、同じ撮影データから点群(寸法・形状の正確なデータ)と3DGS(写真のような見た目を再現する3D Gaussian Splatting)の両方を作れます。点群からメッシュを作り、CADや3Dソフトに持ち込むこともできます。

PortalCamは3DGSのみですが、そのぶん見た目の再現に特化しています。不動産の内覧、映像制作のロケハン、思い出の場所の記録など、その場の雰囲気を残したい用途ではPortalCamがいちばん手軽です。

3DGSの画質では、カメラを3基積んだL3とK2が有利です。L3は前方カメラと左右のパノラマカメラの構成で、マンホールの刻印や電柱の表示のような細かい文字も読み取りやすくなっています。

重さ・取り回し:長時間の手持ちならK2

本体の重さは、K2が約1.2kg(バッテリー込み)で最も軽く、L2 Proが約1.7kg(バッテリー別)、L3が約2.5kg(バッテリー込み)です。L3は性能が上がったぶん重く、長時間の手持ち撮影ではK2との差を感じやすいところです。

階段や狭い通路が多い建物内部や、一日で複数フロアを回る現場では、K2の軽さが大きな武器になります。

RTK・周辺機器:L3とK2は追加購入なしで座標付き計測

座標付きの点群を取るためのRTKは、L3とK2が本体に内蔵しています。L2 Proは32/300モデルのみ内蔵で、それ以外はオプションです。

L3は表示用モニターも本体に内蔵し、スマートフォンをつながなくても撮影中の点群を確認できます。撮影中に人や車などの動くものを取り除くリアルタイム動体除去にも対応しました。機材を減らして身軽に現場へ入りたい方にはうれしい変化です。

撮影時間:PortalCamのみ約1時間

連続計測時間は、L3・L2 Pro・K2が約1.5時間、PortalCamが約1時間です。広い範囲を撮る場合は、どの機種でも追加バッテリーを用意しておくと安心です。

How to Choose

現場別の選び方


現場・目的おすすめ決め手
屋外の地形測量・造成・都市開発で、図面に使える点群が欲しいLixel L35mm精度、RTK内蔵、広域でもロストしにくい
300m級の遠距離まで一度に取りたいLixel L2 Pro(32/300)測定半径が最大
プラント・工場など製造現場の設備計測Lixel L3/L2 Pro精度と範囲のバランス
建物内部の計測、施工の進捗記録、寸法確認Lixel K2軽さ、点群+3DGS、メッシュ化にも対応
教育・研修、初めての3DスキャンLixel K2扱いやすく、点群と3DGSの両方を体験できる
不動産の内覧、映像制作、空間の雰囲気を残したいPortalCam3DGSの画質に特化、手軽

迷ったときの2つの質問

Q1. 成果物に寸法の正確さが求められますか?
はい → L3・L2 Pro・K2 / いいえ(見た目が主) → PortalCam

Q2. 主な撮影場所は屋外の広い範囲ですか?
はい → L3(精度重視)またはL2 Pro(距離重視) / いいえ(屋内中心) → K2

Software

処理ソフトとPCも機種選びの一部


どの機種でも、撮影したデータはPCで処理して点群や3DGSに仕上げます。点群処理は「Lixel Studio」、3DGSの生成は「LCC Studio」を使い、どちらもNVIDIA GPUを積んだWindows PCが必要です。

ソフト側も更新が続いています。最近では、Lixel Studioでパノラマ写真に写った車のナンバーや人の顔へ自動でモザイクを入れられるようになりました。LCC StudioではRTKの座標情報を3DGSモデルに持たせられるようになり、点群と3DGSを同じ座標で重ねて扱いやすくなっています。

購入前にレンタルで撮り比べを

4機種は価格帯も大きく違い、カタログの数値だけでは「自分の現場でどれがいちばん効率よく撮れるか」までは分かりません。L3とK2、K2とPortalCamのように用途が重なる組み合わせは、実際の現場で撮り比べてみるのが確実です。

スキャンベースでは、Lixel K2・PortalCamのレンタルに加え、Lixel L3のレンタルを11月中旬以降に開始予定です。処理ソフトのライセンスや、ソフトをインストール済みの高性能PCもあわせてお貸し出ししているので、撮影から処理まで一通りお試しいただけます。

FAQ

よくある質問


Q. L2 Proを持っていますが、L3に買い替えるべきですか?
5mmの精度が必要な業務や、撮影中のロストによる撮り直しに悩んでいる場合は、乗り換えの効果が大きいと考えられます。300m級の遠距離計測が主な用途なら、L2 Pro(32/300)を使い続ける選択もあります。

Q. K2とPortalCam、3DGSならどちらがきれいですか?
見た目の記録だけが目的なら、3DGSに特化したPortalCamが手軽です。寸法確認やメッシュ化も必要になりそうなら、点群と3DGSを両方取れるK2をおすすめします。

Q. レンタルでも処理ソフトは使えますか?
はい。Lixel Studio・LCC Studioのライセンスと、ソフトをインストール済みのPCを日単位でお貸し出ししています。

Summary

まとめ


Lixel L3精度5mm、RTK・モニター内蔵の最上位モデル。屋外の測量や設計調査に。
Lixel L2 Pro最大300mの長距離計測。広大な現場に。
Lixel K2約1.2kgの軽さで点群も3DGSも。屋内計測や施工管理に。
PortalCam3DGSに特化。不動産・映像制作・空間の記録に。

「どの機種が合うか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。撮影場所や用途をうかがって、機種とレンタル構成をご提案します。

在庫確認・お見積りはこちら